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自立型人材育成の3ステップとは

2022年07月04日

今回は、自立型人材育成の3ステップについてお伝えしたいと思います。
前回のコラムでもお伝えした通り自立型人材育成ステップ0を習得してやっと自立型人材ステップアップに入ることができます。自立型人材育成3つのステップを整えておく必要があります。これにより社員が自立型人材へと生まれ変わります。

 

ステップ1:仕事の目的・背景を必ず伝える

ステップ1:どんな仕事でも目的や背景を説明しなければなりません。そうでないと、どこに向かって仕事をしているのか分からなくなり、ただやらされ仕事をするだけになり、自ら考えて何かをすることをしなくなります。
よく知られている童話に「3人のレンガ職人」(イソップ童話)という話があります。
旅人が3人のレンガ職人に出会い、それぞれにレンガを積んでいる理由を聞いていきます。
最初のレンガ職人は、レンガ積みのためにレンガ積みをしていると答え、次のレンガ職人は、家族を養うためにレンガを積んできると答えます。二人ともモチベーションが低く、浮かない顔をしています。それに対し、最後のレンガ職には、「歴史に残る偉大な大聖堂を作る」ためにレンガを積んで大きな壁を作っているんだと誇りをもって答えます。前の2人と比べ、非常にモチベーションが高く、活き活きと働いています。やっていることは同じレンガ積みなのになぜ最後のレンガ職人はこんなに仕事に対する意欲が高いのでしょうか?それは、仕事に偉大なる目的があるからです。仕事そのものにモチベーションを高める仕事とそうでない仕事があるわけではありません。理念とつながるような目的があると、その仕事が意味のあるものに変わり、結果としてモチベーションが上がるのです。人は簡単な仕事でなく、重要な仕事をしたい生き物なのです。社員に仕事の目的を明確に伝え、腑に落とし、モチベーションを上げるのは、大事なリーダーの仕事なのです。そのために、まずは経営者自身が腑に落ちる理念を策定することが前提条件となります。その上で仕事上においてどのようにリーダーは目的を部下に伝えていくのかということを習得してもらうことが重要です。また部下もそれをどのように共感し、いかに目的が大事なのかを理解することが大事なのです。

ステップ2:仕事に型を作る。成果物、基準(ルール)、役割、責任を明確にする

仕事を与える際に、型、基準(ルール)、成果物、責任、役割を明確にしてくださいといわれると、そんなことは当たり前じゃないかと思われるかもしれません。しかし、チーム型経営を望む若手創業経営者、後継経営者はこの点についての意識が全くと言っていいほどかけています。なぜなら、若手創業経営者であれば、会社を立ち上げる前に働いていた大手企業が、そして、後継経営者であれば、先代のやり方が強制するルールや仕事の型が、自分自身や社員を縛っていると感じてしまっているからです。この理由から社員をルールで縛らず、自由に仕事をさせたがります。しかし、自立と自由をはき違えてはいけません。
仕事の型というのは、その企業が提供する商品・サービスの型です。当然、個人の裁量に任せられるものではありません。例えば飲食店の場合、調理担当者によって食べ物の味付けや大きさが違っていたら顧客からの信頼は地に落ちます。どんな人が調理しても、一定の味や大きさ、盛り付けといった型を守らなければなりません。責任は、立場上当然負わなければならない任務や義務のことです。これはリーダーだけに課せられたものではなく、仕事に携わるすべての人間が負っているのです。例えば仕事の期限は代表的でしょう。すべての仕事には期限があり、それを守ることが仕事の責任を全うするということになります。
目的と仕事の型・成果物が明確になると、人は、目的のためにこの型・成果物をどうブラッシュアップしていこうか考えるようになります。まさに理念に向かって人が自立的になっている証拠ですね。自立型人材育成の環境は、このようにして作っていかなければいけません。そのために仕事における型の重要性・作り方・責任と役割について学ぶことが必要なのです。

ステップ3:仕事ができたら承認、できなかったらフィードバックを習慣化する

仕事がきちんとできたら承認し、できなかったらフィードバックすることを習慣化することは、当たり前といえば当たり前のことです。しかし、中小企業では意外とできていません。ここで重要なのは、褒めるときも叱るときも、仕事にフォーカスするということです。最近では「自己肯定感」という言葉がよく取り上げられます。人の承認欲求を満たすことで自己肯定感を高めることが大事だということです。これは基本的に正しいのですが、捉え方に関して経営者は気を付けなければなりません。仕事以外のことでとにかく何でもいいから褒めるところを見つけて褒めまくると、人は癖になります。褒めなければ動かない人材に育つなんて自立からどんどん遠ざかってしまいますよね。大切なのは、仕事での成功体験を積ませてあげることです。そのためのフィードバックは、褒めるというポジティブフィードバックだけでなく、ネガティブフィードバックも必要になります。仕事で間違えていれば適切に指摘をしてあげなければなりませんからね。そこで、上司からのフィードバックの仕方・伝え方と部下からのフィードバックの受け方を学んでいき、ステップ3を確実に習得することが大事になります。


社員に仕事の目的を伝え(ステップ1)、仕事の型を明確にして教え(ステップ2)、課題を乗り越えられるように努力をさせること。くじけそうになったときには勇気づけ、改めて仕事の意義を伝え、丁寧に教えることが大事になります。そして、乗り越えられたら承認、できなかったらフィードバック(ステップ3)を繰り返すことで、人は成長していきます。
このように人は小さな成功体験の積み重ねによってモチベーションが高まり、自立型人材へと変貌していくのです。

これら自立型人材育成については、「次世代経営者のための経営輝塾」でもお伝えしております。
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この記事は私が書きました

代表税理士 鈴木 宏典

税務財務コンサルティングのみならず、コーチング手法による会社のコンセプトメイキング、ビジョンメイキングを通じたコンサルティングを得意とする。東京・大阪・名古屋・仙台等でセミナーを行い、中小企業のみならず、同業者である税理士のビジョンをもかなえるべく、事務所の仕組化を全国に広めている。