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経営理念の策定手順について

2020年05月27日

・理念は過去に基づき策定し、ビジョンは未来を描く

前回腹落ちする経営理念の作り方で、経営理念の定義は「独りよがりな自己実現欲求を形にしたもの」と説明しました。詳しくは、そのときの豆知識を読んでいただければいいですが、大切なことは、理念策定のヒントは過去にあるとお話し致しました。理念は過去に基づき策定し、ビジョンは未来を描く!これが正しい認識です。では、どのような手順で理念を策定したらいいでしょうか?

・理念策定のためには、大志を引き出す

経営理念の策定には、経営者の自己実現欲求=本当に望んでいること=大志を引き出さなければなりません。つまり、経営者自身の天命を引き出していくことになります。そのためには、正しいプロセスを踏まなければいけません。本当に望んでいることというのは、欲求ですが、その心の強いベクトルのヒントには、当然「心を突き動かす感情」があります。それは、その場限りの弱い感情や誰かに言われて感じるものではなく、昔から自分自身が大切にしたいとずっと思っていることが隠れているのです。では、その強い感情をどのようにして探すのか?それは、過去の出来事にそのヒントがあるのです。最も心を突き動かす衝撃的な出来事を追っていくことによって見つかるのです。

一般社団法人才能心理学協会の理事長を務める北端康良先生は、その大きな出来事を「ディープインパクト」と呼んでいます。私は、北端先生に導かれて自分の「本当に望んでいること」に気づくことができました。そのおかげで、私は先代から快く事業を引継ぐことができ、今こうして税理士を天職だと思いながら幸せに働いています。もし、先生との出会いがなく先生のプロファイリングを受けることがなかったら、父との確執も拭えないまま、税理士の仕事を手放し、路頭に迷っていたかもしれません。

今現在、税理士法人SS総合会計のサービスの一つに「理念策定塾」という4日間のプログラムがあります。これは、北端先生と私とのコラボセミナーとなっていまして、2018年から始め、すでに3期生募集まで来ており、税抜30万円と高額にもかかわらず、毎期満員御礼の大変人気の講座となっております。面白いのは、浜松という地方での開催にもかかわらず、東京や大阪といった全国各地からこの講座を受けに来ていただいてることです。それだけ経営者が自分の理念がわからず、何のために経営をしているのかわからないということなのでしょう。ではなぜ、税理士なのにこのようなプログラムを提供するに至ったのかというと、それは、私は、SSが「税理士を超えた経営のパートナー」であり、理念策定が経営にとって絶対不可欠なものであると本気で考えているからです。

・過去の出来事をピックアップしていく

少し横道にそれましたので、理念策定の話に戻したいと思います。その手順ですが、まずは過去の出来事をピックアップしていきます。できる限り強い感情を感じた出来事を追っていくことになります。大まかにいうと幼少期・成長期・青年期・現在と分けて、出来事をできる限り数多くピックアップしていきます。なかなか思い出せないという方もいらっしゃいますが、その場合には、実家にあるアルバム等を引っ張り出して思い出していきます。
そのときに、必ずあるのが、プラスの出来事とマイナスの出来事と別れます。一般的には何となくプラスの出来事のほうに自分の自己実現感情の源泉がありそうな気がするのですが、実はそうではありません。実感値からいいますと、むしろマイナスの出来事のほうが強い感情がある場合が多いような気がします。

例えば、アップルの創始者であるスティーブジョブズ氏は有名ですよね。彼は実は幼き頃養子に出されます。そして、長い間、人と違って愛されていないのではないかという疑念に苦しみます。人との違いに苦しんだのです。しかし、それがアップルの理念「think different」に繋がっているのです。そう、人と同じではなく発想を変えよう!違いを認めよう!これに行きつくのです。理念は、このようにマイナスの出来事から生まれることも往々にしてあるのです。

・プラス・マイナスな感情に共通する強い感情の言語化

ディープインパクトをピックアップしたらいよいよ、そこからより強く感じた感情欲求のある出来事に絞り、共通項を見つけていきます。すると、プラス・マイナス関係なく、共通する価値観が出てきます。この共通する強い感情を言語化したものを「コアコンセプト」と言います。これが理念策定において最も重要な核になります。感情を言語化するとどうなるか?行動が研ぎ澄まされてきます。感情がぶれなくなってきます。いや、というよりも、感情はぶれるのですが、大きくぶれたとしても、戻ってくるべきセンターが分かるようになります。これは、経営していく上でも非常に重要になってきます。つまり判断基準が明確になってくるのです。ちなみに、このディープインパクトから感情を引き出し共通項を見つけるというプロファイリングを行うと、自分の中で蓋をしていた感情があふれ出てきて、涙を流してしたり、まれに嗚咽してしまうということもあります。しかし恥ずかしがることはありません。それほど強い感情を持っているということですから。

・コアコンセプトを決めてから理念を作る

コアコンセプトが決まると、いよいよここをもとに理念を作っていきます。私の場合には、「輝く」というのがコアコンセプトになります。昔から、人がどうやったら輝くのか?自分も輝いて人も輝かすにはどうしたらいいのか?幼少期より、このことを常に考えて生きてきました。それは今も変わっておりません。人は幼少期に起きた出来事に伴う感情は、とても強いので、ずっと今に至るまで残っていくのだと思います。
ではここからどのようにして理念にしていくのか?コアコンセプトをより社会的意義をもったものに変えていけばいいのです。つまり、独りよがりな表現から、より皆に分かってもらえるような形に変えていくプロセスを踏んでいきます。このときに気を付けてたいのは後継者の場合です。後継者の場合には、「守りながら変容」が経営の原理原則です。ですので、先代の大切にしたい価値観を理解し、そこに自分の新たな価値観を加えていくことになります。このことについては、、また別の機会にお話ししたいと思います。

SS総合会計の場合には、物心の幸福に貢献するという理念があります。これは、私の輝かせたいという心と、父が大切にしていた数字・お金=物の両方を大事にしていきたいという思いがあります。つまり、SSのSpirit&Systemそのものになっていくわけです。ですので、当グループの経営理念は、「顧問先企業の物心の幸福に貢献し、永続的繁栄を実現する」になっておりますが、私たちのサービスはすべて、これを基軸に展開しております。そうSpirit&Systemという言葉を聞くと、心の底から深い情熱が沸き起こってきます。自分がこのために生きていると実感できるときに、本当に幸せだなと感じます。我が社員パートスタッフ65名全員がこの理念の趣旨が分かっております。それがSSの団結力や明るく真摯でガッツあふれる社風に通じているのだと思っております。
是非、経営者の皆様もこのプロセスを踏んで本当に腹落ちする経営理念を作ってみてください。ただその際に、一人で作成するとかなり煮詰まってしまうので、是非プロのコーチやプロファイラーについて策定することをお薦めします。もしどうしても見つからない場合には、当グループに相談して頂ければ結構です。是非理念策定塾にも参加していただければ、腹落ちした理念が100%策定できると思います。是非トライしてみてください。

この記事は私が書きました

代表税理士 鈴木 宏典

税務財務コンサルティングのみならず、コーチング手法による会社のコンセプトメイキング、ビジョンメイキングを通じたコンサルティングを得意とする。東京・大阪・名古屋・仙台等でセミナーを行い、中小企業のみならず、同業者である税理士のビジョンをもかなえるべく、事務所の仕組化を全国に広めている。

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