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中小企業のための人材教育のツボ1

2022年05月06日

1.トレンドの「チーム型経営」は中小企業では機能しないワケ

部下に仕事を任せたい・・・
自分がいなくても回るような組織にしたい・・・
社員が自立型人材にしたい・・・
先代経営者のようなトップダウン経営でなく、チーム型経営をしたい・・・
そんな風に思っている若手経営者・後継者の方は多いのではないでしょうか?
そのために、本を読み漁り、今トレンドの「コーチング」「1ON1ミーティング」「チームビルディング」「褒めて伸ばす」「働き方改革」を取り入れ、組織を自立型にしようと奮闘している経営者はとても多いのではないでしょうか。そのお気持ちよくわかります。この私もまさに中小企業の若手経営者の一人であり、何とか社員のやる気を引き出し、経営者だけが頑張る経営ではなくチーム型経営にしていきたいと願いコーチングに明け暮れた時期もありました。
しかし、なぜかほとんどの中小企業では、いわゆる大企業でうまくいっているトレンドの「チーム型経営」が機能しないというのが実情なのです。

それは一体なぜでしょうか?
それは、大企業と違い、中小企業においては、社長と社員の間には、能力のみならず価値観のギャップが天と地ほどあるからなのです。

2.中小企業における社長と社員の価値観のギャップとは?

それでは、この価値観のギャップとはいったい何でしょうか?

中小企業の社長は、その時点ですでに自立型人材なのです。それは一体どういうことでしょうか?では、そもそも社長はなぜ社長になったのでしょうか?例えば創業者であれば、たいていの方は、前職ではいわゆる大企業のサラリーマンであり、成績も優秀でやり手で若手のホープとか言われていたと思います。もしも社長が前職のまま大企業にいれば、そこそこの地位とそこそこの収入が保証され、まさに「安定」を手に入れられるはずだったのです。しかし前の会社のルールが嫌で自分でルールを作りたくて会社を作り自らが社長になり自分で仕事を作ることを選択した人なのです。つまり、あえていばらの道に飛び込み「苦労」という選択をしてまで自分の信念を通す道を選んだ異常な人なのです。ここまで大げさな動機かどうかはわからないですが、少なくとも、大企業の安定ではない道を自ら選んでいるのは事実ですよね。つまり、中小企業の社長は、社長になった時点でそもそも自立型人材なのです。
それに対して中小企業に入ってくる人材はどのような人種なのでしょうか?そのほとんどが、人柄がいい指示待ち人間か、何かといえばすぐに不平不満をいう人間か、意見といえば、会社のことより自分の待遇とか福利厚生の話をする人間といった自立とは無縁の人種なかりなのではないでしょうか?
<社長>                     <社員>
① 自ら動いて、仕事を作る           ①指示がなければ、動けない
② どうやったらできるか考える         ②不平不満をいう
=問題は自分にあり、外部環境を         =問題は自分ではなく、相手や外部
自分の力で変えようする姿勢           環境のせいであるという考え方
③ 自分より会社全体を優先する         ③会社より自分の都合を優先する
実は、中小企業がなぜチーム型経営がうまくいかないかというとそれはチーム型経営をおこなう前提条件がない、すなわち、社長と社員との人種の違い=価値観の違い(ギャップ)によってコミュニケーションが通じないことに理由があるのです。

コミュニケーションがとれる土台すらないのにもかかわらず、社長は、まだ流行りのコミュニケーション手法でその場をなんとか取り繕うとします。

●コーチングは傾聴によってモチベーションを引き出す技術ではあるが・・・
⇒そもそも社員はモチベーション高く仕事した経験がないから正直引き出すものがない。
●働き方改革を取り入れる
⇒そんなことしなくても仕事にやる気がなくとっとと帰ってしまうので、そんなに声高に言わなくても勝手に働き方改革になってしまう・・・。
●褒めて伸ばす
⇒褒めるといっても仕事で褒めるところがない・・・。

とうとう疲れ切ってしまい、このギャップを埋めるべく社長のとる最終手段はおよそ2つの行動パターンに集約されてきます。

3.チーム型経営の失敗の成れの果ては?

パターン1:
社員を信用できなくなり、チーム型経営をあきらめ、最後は自分が重要な仕事のすべてを引き受け、責任をもって実行するという選択をとる。
すると・・・
⇒社長のやることがやたらと増える。
⇒社長だけが忙しくなり、仕事をこなしきれなくなる。
⇒大事な顧客からクレームがくるようになる。
「なんか最近、社長が忙しそうだし、頼みにくし、仕上がりが雑だな」サービスの質が悪くなる。
⇒業績が悪くなる。
⇒悪循環に陥る

パターン2:
チーム型経営をなんとか続けるために社長が掲げるビジョンをやめて、みんなのレベルに降りて、「なんちゃってチーム型経営」をしだす。
⇒みんなのくだらない意見を聞くことが仕事になる。
⇒大事な顧客からクレームがくるようになる。
⇒サービスの質が悪くなり、「社長がやっていたときのサービスがよかったのに、最近質が悪いね」と言われるようになる。
⇒業績が悪くなる。
⇒悪循環に陥る

結局どちらのパターンをとったとしても悪循環に陥るのです。

ここまでくると。最終的には社長が超多忙になり社員を放置するようになります。
それにより、社風は悪化の一途を辿り、組織は崩壊寸前にまでなります。

こうなる前に、早く手を打たなければなりません。

では、自立型人材育成のプロセスに、そもそも何が抜けていたのでしょうか?

それは、すなわち・・・

「中小企業版自立型人材育成ステップ0」を踏むというプロセスが抜けていたのです。
次回、これをお伝えいたしますね!

これら自立型人材育成については、「次世代経営者のための経営輝塾」でもお伝えしております。
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この記事は私が書きました

代表税理士 鈴木 宏典

税務財務コンサルティングのみならず、コーチング手法による会社のコンセプトメイキング、ビジョンメイキングを通じたコンサルティングを得意とする。東京・大阪・名古屋・仙台等でセミナーを行い、中小企業のみならず、同業者である税理士のビジョンをもかなえるべく、事務所の仕組化を全国に広めている。